他人の行為により病気やけがをしたとき
自動車事故など他人の加害行為が原因で病気やけがをしたとき、健康保険で治療を受けることができますが、その場合、できるだけすみやかに「第三者の行為による傷病届」を提出してください。
必ず健康保険組合に届出を
第三者行為が原因で病気やけがをしたとき、健康保険で治療を受けることができますが、このような場合、健康保険組合は加害者が支払うべき医療費を一時的に立て替えるだけで、負担した医療費は後で加害者に請求します。
健康保険で治療を受ける場合は、当組合にご連絡のうえ、すみやかに「第三者の行為による傷病届」などの必要書類を提出してください。
- ※70歳以上75歳未満で特例措置により自己負担割合が1割負担となっている方も、第三者行為が原因の傷病については2割負担となります。
自動車事故にあったら
- STEP1できるだけ冷静に
ショックで冷静な判断を失うことがあります。できるだけ冷静に対処してください。 - STEP2加害者を確認
ナンバー、運転免許証、車検証などを確認しましょう。 - STEP3警察へ連絡
どんな小さな事故でも、必ず警察に連絡しましょう。 - STEP4示談は慎重に
示談により、損害賠償請求権の一部を放棄した場合、その範囲で健康保険の給付を受けられなくなることがあります。後遺障害などで後から治療が必要になったとき、健康保険が使えないといった事態を避けるためにも、示談をする場合は事前に健康保険組合業務部審査課(TEL:03-3661-2254)にご相談ください。
第三者行為となる場合
第三者行為の主な事例は自動車事故ですが、次のような場合も第三者行為となります。
- 学校やスーパーなどの設備の欠陥でけがをしたとき
- 他人の飼い犬やペットなどにより、けがをしたとき
- 不当な暴力や傷害行為を受け、けがをしたとき
- 飲食店などで食中毒にあったとき
仕事中にケガをしたときは
労働災害とは
健康保険では、業務外の事由による病気がケガ、死亡、出産について保険給付を行うことになっています。
業務上や通勤途上の病気やケガをした場合、それは、労働者災害補償保険法(労災法)の適用となり、健康保険の対象とはなりません。被扶養者の方でも、パート・アルバイト中の事故は、労災の適用になり、保険証は使えません。
労働災害と健保の区別
労働災害とは、通常の作業に従事する場所と通常の作業時間内に使用者の指揮命令下にある作業のもとで、その状態に起因して発生したものとされており、作業時間中の事故はもとより、出張往復途上・出張先の工場などで業務遂行中の事故なども労働災害に含まれるものとされています。
また、健保の給付対象は保険事故の原因が前述のように業務に起因するものでないもの(通勤途上は除く)、つまり業務と保険事故との間に相当因果関係がないものが対象となります。したがって、業務上の負傷などについては健康保険では給付しないことになっています。
労働災害として認められた事例
- 作業中にトイレに行く途中の事故
- 自宅から出張地へ直接向かう途中の踏み切り事故
- 仕事の商談で飲食後、帰路暴行を受け負傷した事故(深夜遅くまで飲食していない場合)
- 作業中に風に飛ばされた帽子を拾おうとして自動車にはねられた事故
- アルバイトで調理作業をして火傷をした事故
- 商品運搬配送中の交通事故
出張中の事故について
出張過程の全般について事業主の支配下にあり、積極的な私的行為・恣意的な行為でない限り、労働災害として認められます。
出張先までの通勤途上の事故は労災となります。
通勤途中にケガをしたときは
通勤災害とは
通勤とは、就業に関し、自宅と会社との間で合理的な経路および方法で往復することをいいます。
通勤災害とはその途中の事故やその通勤に起因する病気やケガをいいます。これは労働者災害補償保険(通勤災害)の対象となり、健康保険の対象となりません。
また、通勤災害か健康保険か判断がつかない場合、誤って保険証を使ってしまった場合はすぐに当組合業務部審査課(03-3661-2254)・最寄の労働基準監督署へお問い合わせください。
通勤災害とされるのは
- 仕事と関連がある
- 住居と事業所の往復である
- 合理的な通勤経路・方法による
- 往復の経路から外れたり中断していないなどの要件をすべて満たす場合です。
具体的にな通勤災害を挙げると
- 通勤途中病院・スーパー・美容院へ行った帰り、本来の通勤経路に戻ってケガをした場合
- 会社の行き帰りの途中で駅の階段で転んだ事故
- 会社には電車通勤による通勤手当を支給受けていたが、、間に合いそうもないので自動車を使い、その途中に交通事故にあった場合
- 昼休み、家に戻って食事をすまそうと思い、その途中での事故
- 独身者が食事ために短時間食堂によってその途中の事故
- 交通ストライキで、一時的に自宅以外の場所に泊まり出勤途中の事故
- 地下鉄など通常考えられる経路が複数あるときは、いずれも合理的であればその途中の事故
しかし、実際の認定にあたっては上記1から4の要件に照らして、ここの具体的なケースに応じて実態的に判断されます。
通勤災害か健康保険か判断つかない場合、当組合業務部審査課(03-3661-2254)・最寄の労働基準監督署へお問い合わせください。